宮城・仙台スクール、再エネ復興向け8グループでスタート!

  • 2014.09.12
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暑さも落ち着き、秋の兆しが感じられるようになる中、まちエネ大学宮城・仙台の第一回講座が始まりました。

開場前より続々と受講生が集まり、総勢31名。震災からの復興に向けて再エネへの注目が高まる被災地、どんな取り組みが動き出すでしょうか。

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この日は、地域ファシリテーターの有限責任監査法人トーマツ・清水毅氏による進行で始まりました。このまちエネ大学を受講した動機や再エネに何故興味をもったのか、何名かの方にお伺いしました。「太陽光発電の販売・施工会社を経営しているが、もっと今まで培ったノウハウを活かして地域貢献をしていきたい」「一番の転機は震災だったが、電力会社のように一企業が自分の生命線を委ねられているのだと思い、そんな状況からの自立を考え受講を決めた」といった前向きなコメントがありました。

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講座の冒頭にお二人の方から応援メッセージをいただきました。

徳島地域エネルギー理事、豊岡和美さんからは、「採算を理解し、事業性を確保し、必要な知識さえあれば事業はできる」「事業性が無いものを無理に実践するほうが継続性は難しいのがわかった」など事業に必要な心得についての話があり、

株式会社宝塚すみれ発電の井上保子さんからは、「自分たちだけでやろうとしない」「事業者さんを仲間に入れる」「一緒にやっていくというのが一番のポイント」「行政との距離を縮めるために時間を割いた」など、多くの大事なキーワードとなるようなコメントをいただきました。

実際に事業を行っているお二人の応援メッセージは、受講生の皆さんにとって大事なメッセージになったようです。

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続いて、再エネの最新動向と合わせて、固定価格買い取り制度の概要について、資源エネルギー庁新エネルギー対策室・渡部伸仁氏からレクチャーがありました。

その後、宮城県から再生可能エネルギー室 三浦智義さんより県の事業についてレクチャーがありました。宮城県の再エネ賦存量について、太陽光は平野部と沿岸部が好条件であること。特に、三陸海岸についても、伊豆半島、房総半島と並んで相対的に好条件だそうです。その他、宮城県が実施している再エネ導入支援策のメニューも説明があり、受講生は真剣に聞き入っていました。

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休憩を挟んで後半は、自ら事業案を持ち込み、熱い思いを8名の受講者のみなさんが発表しました。発表を聞いた後、プランに共感した受講者同士でグループワークを行いました。

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プラン発表を経て、以下8つの事業計画グループができました。

  1. 大内雄蔵さん(株式会社相馬の里) 福島県相馬市内の地区で、高齢者も参画できるソーラーシェアリング事業をつくる。
  2. 澤井仁さん(株式会社パートナーズ) エネルギ—と食と間伐材の自給プロジェクト
  3. 阿部功さん(有限会社アネックスホテルアベ) 栗原市内にある自社のビジネスホテルを、エネルギ—と食を自給できるホテルにする。
  4. 高荷聡子さん(NPO法人せんだいみやぎNPOセンター) 再エネ(太陽光と小型風力)を使った地域防犯街灯システムの構築。FITでの売電による収入を、被災地各地に点在する仮設復興商店街に寄付。
  5. 佐々木一郎さん(エネシフみやぎ) 新方式発電システムの普及
  6. 菅野宏史さん(菅野宏史建築設計事務所) 地域密着型メガソーラー
  7. 樋口ふみさん(wasanbon) 再エネコミュニティカフェ「風土」
  8. 乗田和志さん(株式会社SKトレーディング) エネルギ—と食の自給を目指す再エネレストラン。

受講者の中でも震災で被災した方、現在も自宅が居住制限区域になっている方など、被災したからこそ苦労したこと、取り組んでみたいアイデアがたくさん生まれたようです。

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最後は各グループのリーダーがグループワークの成果を発表し、第一回の本講座は終了となりました。次回への課題や宿題も残しつつ、事業の実現に向けて皆さん充実した表情をされていたのが、印象的でした。

本講座後の懇親会には20名を超える受講生が参加し、交友を深めていました。銘酒「一の蔵」の鏡割りに始まり、最後は伊達藩締めで気合いを入れて、次回の再会を誓い合いました。

第二回は銘建工業代表取締役・中島浩一郎さんをゲストにお迎えし、地域の特性を理解し、地域資源を活かした再エネ事業を起こすコツについて学びを深めていきます。

 

ここからどんな事業が生まれ育っていくのか、今からとても楽しみです。